R)一杯のかけそば

R)一杯のかけそば
先生が、
淳くんのお兄さんがお母さんにかわって来てくださってますので、
ここで挨拶をしていただきましょうって……」
「まぁ、それで、お兄ちゃんどうしたの」
「突然言われたので、初めは言葉が出なかったけど……
皆さん、いつも淳と 仲よくしてくれてありがとう。
……弟は、毎日夕飯のしたくをしています。
それでクラブ活動の途中で帰るので、
迷惑をかけていると思います。
今、弟 が『一杯のかけそば』と読み始めたとき……
ぼくは恥ずかしいと思いました。
……でも、胸を張って大きな声で読みあげている弟を見ているうちに、
1杯 のかけそばを恥ずかしいと思う、
その心のほうが恥ずかしいことだと思いま した。
あの時……1杯のかけそばを頼んでくれた母の勇気を、
忘れてはいけない と思います。
……兄弟、力を合わせ、母を守っていきます。
……これからも 淳と仲よくして下さい、って言ったんだ」
しんみりと、互いに手を握ったり、
笑い転げるようにして肩を叩きあった り、
昨年までとは、打って変わった楽しげな年越しそばを食べ終え、
300円を支払い
「ごちそうさまでした」と、
深々と頭を下げて出て行く3人を、
主人と女将は1年を締めくくる大きな声で、
「ありがとうございました! どうかよいお年を!」
と送り出した。

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