いつか、眠りにつく日

いつか、眠りにつく日
朝は、嫌い。
望んでもいないのに時間は平等に流れ、夜の闇はやがて朝の光に消えてゆく。朝が来れば人は動き出し、それぞれの人生を進んでゆく。
別に学校が嫌なわけではなく、ただ単に私の目覚めが最悪なだけだ。
おかげで高校2年生にもなって、母親の手をわずらわせている。
しかし、今朝はいつもと違っていた。
目はまだ閉じているが、なぜか心身はすっかり目覚めている感覚。
こんなのはじめてだな
長時間寝てしまったかのように、スッキリした気持ちだ。
静かに私は目を開ける。
「え?」
そこには白い煙がただよっていた。一瞬の思考の後、私の脳は異常を知らせる。
「ちょっ、火事!?」
慌てて起き上がると、部屋中が薄い煙におおわれていた。
「うそ、うそでしょ!」
窓辺に走り、カーテンを開けると窓を乱暴に開いた。
新鮮な空気を吸い込もうとして、ふと気づく。火事ならばもっとにおうはずだ。しかし部屋の中には燃えるようなにおいはしていない。
それどころか、外の景色にもすべて薄い煙がたちこめている。道路を挟んだ向かい側の家も、ぼんやりとしか見えないほどだ。
一瞬、霧なのかとも思ったが、それならば部屋の中にまで立ち込めているのはヘンだ。
改めて、部屋の中を見回す。
「あれ?」
違和感が私を襲った。普段は乱雑な部屋が異様に片付いているのだ。
昨日、寝る時はいつもと同じだったはずなのに

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