最高の贅沢

かけそば11
その後、母の実家があります滋賀県へ越しました。
私は今年、医師の国家試験に合格しまして
京都の大学病院に小児科医の卵として勤 めておりますが、
年明け4月より札幌の総合病院で勤務することになりました。
その病院への挨拶と父のお墓への報告を兼ね、
おそば屋さんにはなりませんでしたが、
京都の銀行に勤める弟と相談をしまして、
今までの人生の中 で最高の贅沢を計画しました。
それは大晦日に母と3人で札幌の北海亭さん
を訪ね、3人前のかけそばを頼むことでした」
うなずきながら聞いていた女将と主人の目から
どっと涙があふれ出る。
入 口に近いテーブルに陣取っていた八百屋の大将がそばを
口に含んだまま聞いていたが、
そのままゴクッと飲み込んで立ち上がり
「おいおい、
女将さん。何してんだよお。
10年間この日のために用意して 待ちに待った
『大晦日10時過ぎの予約席』じゃないか。ご案内だよ。ご案 内」
八百屋に肩をぽんと叩かれ、気を取り直した女将は
「ようこそ、さあどうぞ。 おまえさん、2番テーブルかけ3丁!」
仏頂面を涙でぬらした主人、 「あいよっ! かけ3丁!」
期せずして上がる歓声と拍手の店の外では、
先程までちらついていた雪も やみ、
新雪にはね返った窓明かりが照らしだす
『北海亭』と書かれた暖簾を、 ほんの一足早く吹く睦月の風が揺らしていた。

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